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歪んだ鏡が割れる時
第1章 第一章
「おはようございまーす」
美波が出勤してきたようだ。彼女に何を訊かれても、白石から聞いた事をそのまま伝えればいい。ストーリーは出来上がっていて、そこに乗ってさえいれば事は順調に運ぶ。
携帯電話がメールの着信を告げた。
──透子、疲れてないか?
また連絡する。
昨夜の君は、想像以上だったよ。
その文字を目にした途端、夕べ2人でした事がまざまざと蘇った。
頬を叩かれて意識を取り戻した私は、導かれるまま、男の性器を貪った。そして自ら彼に股がり、激しく腰を振っていた。
バスタブの縁で彼の望んだポーズをとり、自分の全てを開いて見せた。
湯に浸かっている男に足の指を舐めさせ、唇が私の中心に近づいて来るのを、息を殺し、胸を焦がして見続けた。
あの女は誰?
そして私達は、立ったまま繋がった。
「もっと、もっとして浩之さん、あぁ……やめないで、やめないでぇ……」
あれが私?
「透子、もう私でなければダメだろう、ん?」
今また身体が疼く。
隠した足枷が熱を発する。
──昨夜の君は、想像以上だったよ。
文字が声となって耳に届き、ふつふつと身体の芯が熱くなる。
甘い夜の記憶が後を引いた事など、これまで一度もなかった。なのに今、激しく乱された記憶が心を占めて、昨夜の秘め事に蓋ができない。
身体が、彼を欲しがっていた。
美波が出勤してきたようだ。彼女に何を訊かれても、白石から聞いた事をそのまま伝えればいい。ストーリーは出来上がっていて、そこに乗ってさえいれば事は順調に運ぶ。
携帯電話がメールの着信を告げた。
──透子、疲れてないか?
また連絡する。
昨夜の君は、想像以上だったよ。
その文字を目にした途端、夕べ2人でした事がまざまざと蘇った。
頬を叩かれて意識を取り戻した私は、導かれるまま、男の性器を貪った。そして自ら彼に股がり、激しく腰を振っていた。
バスタブの縁で彼の望んだポーズをとり、自分の全てを開いて見せた。
湯に浸かっている男に足の指を舐めさせ、唇が私の中心に近づいて来るのを、息を殺し、胸を焦がして見続けた。
あの女は誰?
そして私達は、立ったまま繋がった。
「もっと、もっとして浩之さん、あぁ……やめないで、やめないでぇ……」
あれが私?
「透子、もう私でなければダメだろう、ん?」
今また身体が疼く。
隠した足枷が熱を発する。
──昨夜の君は、想像以上だったよ。
文字が声となって耳に届き、ふつふつと身体の芯が熱くなる。
甘い夜の記憶が後を引いた事など、これまで一度もなかった。なのに今、激しく乱された記憶が心を占めて、昨夜の秘め事に蓋ができない。
身体が、彼を欲しがっていた。