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歪んだ鏡が割れる時
第2章 第二章
ユウは笑って目を閉じた。
濃いアイラインと、くるりと巻いたつけ睫毛が不自然なユウ。
ピンク色に光る小さな唇にそっと唇を重ねた。頭と背中を支え、舌を割り込ませた。

「ん……」

ユウの舌を見つけてそっと絡め取ると、急に顎を引き、両手で俺の胸を強く押した。

「やめる?」

「……、もう一回」

目を伏せたままのキスの請求がかわいくて、硬くなった身体をそっと抱きしめた。

何度か唇を合わせ、ユウがたどたどしく舌を絡ませてきた時、俺は、初めて罪悪感を感じた。

キスも知らない……。
よかったのか俺なんかで。

長い睫毛は閉じられたまま、息絶え絶えに俺に応えようとしてくる。

いじらしかった。
ユウを抱くのは、これで最後にしよう。
俺は決めた。

「ユウちゃん」

布団に横たえ、腕枕をして見つめあった。

「……」

「お前、かわいいな」

初めて褒めた。

「や、やだ……」

頬がみるみる赤くなり、俺に抱きついてくる。
髪の色も化粧も虚勢でしかない。出会った時も、コンビニの前に座り込んで泣いてたんだから。


――俺の家、あのアパートなんだけど来る?

──……うん


失恋したばかりだったのかもしれない。
ユウはあの時、そばにいてくれるなら誰でも良かったんだろう、俺もそうだった。

深く考えもせずに初めてを奪ったけど、後悔してないのか、お前……。




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