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歪んだ鏡が割れる時
第2章 第二章
俺たちは唇を奪い合い、深く繋がった。荒くなるユウの呼吸を確かめ、堪えきれなくなった熱情をぶちまける。

「ゆ、ユウちゃん、ユウ、ユウ……」

背中に腕が回ってきた。

「り、亮さん、あっ、あっ……」

硬く閉じる肉壁に挑みかかる。上下するユウの腰に合わせ、次第に激しくなる動き。身体の奥で渦巻いていた快感が一点に満ちてきて、俺達は快楽の高みへと昇っていった。

「あっ、あぁっ、んあぁっ、亮さん、い、イク、イク、ああっ、あぁぁぁっ……」

「ユウ、んぅっ……」

ユウは俺を離さなかった。硬く締まったまま、抱きしめて離さなかった。
名残惜しかった。ようやく悦びをを覚えたその身体を、まだまだ味わっていたい気もした。
気だるそうに頬笑むユウの表情は、別人のように憂いを帯びていた。

ようやく身二つになり、ユウに腕枕をして天井を見つめる。

宣言しなければならない。

「ユウちゃん……」

「亮さん、私……えっちするのこれで終わりにしたいの」

「え?」

驚いて顔を覗いた。

「すごく素敵な経験ができたから、大事に取っておきたいの」

ふつう、もっと欲しくなるんじゃないのか?

「そう?ちょっと寂しいな」

「でも、亮さんもそれがいいと思うでしょ」

「まあ、そうかな」

言い出し難かった事を先に言い出され、俺は正直ほっとしていた。
俺には茜がいるんだし、ユウとの未来は初めから描いていなかったわけだし……。

「ね?だから、あとはちゃんとやろうよ、あの家の女の事」

「え?」

ユウの切り替えの早さには驚いた。

たった今見せたあの顔は?

若い子ってそんなにあっさりしてるのか。愛がなければ、未練とか寂しさとかもないの?
いやいいけど。俺としてはめんどくさくなくて。

唖然とする俺に目もくれず、ユウはオレンジの髪をまとめ上げると、シャワーを浴びにさっと立ち上がった。

















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