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歪んだ鏡が割れる時
第3章 第三章
呉服売り場を飾っていた浴衣が仕舞われ、婦人服売り場では、早くも秋の装いのマネキンが、人の目を引いている。

外の日差しはまだ強く、買い物客の手には日傘が目立つ。

「今年も夏が長そうですねぇ。今度有給取って温泉旅行でも行ってこようかな」

「あら、もう報奨金使っちゃうの?」

「うふっ、忙しくて夏休み取れなかったし、彼氏と一泊旅行を計画中なんです」

夏のボーナスに加え、報奨金も手にした美波の声は弾む。

「もちろんまた3ヶ月がんばりますよ。英気を養う為の旅行ですから」

家族連れが減り、どのフロアも新商品の入れ替えと模様替えに余念がない。

あちこちに飾られたかぼちゃのお化けが、秋の訪れを無理やり早め、かぼちゃが役目を終えるとすぐに、サンタクロースがお目見えする。

何かとイベントが多い秋冬は、おしゃれを楽しむ季節でもあり、ジュエリーに目を向ける人もこれまでよりぐんと増えるだろう。

あのメールを最後に、松岡からの連絡は途絶えた。

一方、彼の紹介で訪れる客は増え、結婚シーズンに向けて、高級ジュエリーの予約もいくつか入っていた。

クリーニングやお直し、加工といった販売以外の取り扱いも順調で、親から受け継いだジュエリーをリフォームというする相談も相次いだ。

「松岡様にお礼を言おうにも、ご本人が来てくださらない事にはねぇ……」


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