この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
歪んだ鏡が割れる時
第3章 第三章
「いいえそんなこと。では、こちらに」

ゆったりとした口調に巻き込まれそうだった。

「浩之さん、少し待っていてくださいね」

彼女が振り向いた。

「あぁ、ここ待ってる」

お願い、見つめ合わないで……。

他に客はいない。
白石が松岡と談笑している声を背中で聞き、私はショーケースの商品をいくつか手に取りながら、彼女の好みそうな物を探した。

「派手なものは好きじゃないんです、似合わないので」

「そんなことないと思いますよ。
そうですね、普段使いにも、改まった席でもお使いになりたいのでしたら、こちらはいかがですか?」

「まあ、素敵」

それは、7ミリのアコヤ真珠に、18金を素材にした小さなダイヤモンドを纏わせたもので、派手になり過ぎない光沢をたたえていた。

「奥行きのある輝きが印象的ですし、お顔も映えると思います。こちらにどうぞ」

鏡の前で商品を耳にあて、更に試着してもらうと、表情がパッと明るくなった。宝石を身に付けて嬉しくない女性はいない。

「とてもお似合いです」

「きっと物が良いからだわ。でも私にはもったいない。さんざんお世話になってきたのにこんなことまで……」

「……記念に、とおっしゃっていましたね」

その言葉が気になっていた。

「え、えぇ、あの方とお目に掛かれるのは今日が最後なんです。田舎に、金沢の母の元に帰る事になりまして」




/195ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ