この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
歪んだ鏡が割れる時
第3章 第三章
「なぜそんな事が言えるんですか?」

唐突な愛の言葉に怖気づいた私が、反撃を試みる。

「なぜ?」

「同じ事を誓い合った筈の相手と、生活を共にしているのに」

「ふふっ、一時の思い込み、皆それに縛られているだけだよ」

思い込み?
私の結婚生活も、そうなのだろうか。

「もし君がこうして傍に来てくれなくても、私の気持ちは変わらない。今日のように、時々顔を見に店に立ち寄ったりはするだろう。以前と変わらない関係が続くだけだとしても、それはそれで仕方ない、切なく君を想うのみさ」

心に浮かんだのは、紗江の愛し方だった。

「でも君は今、私といる。寸暇を惜しんで、愛欲を満たそうとしている」

罪深さを知らしめる為の言葉も、彼の声を通すと、淫靡さを伴ってじわりと子宮を刺激する。私は口をつぐむしかなくなり、切なさの混じった熱いため息を押し出した。

身体を重ね、罪を重ね、欲に溺れるのが愛だろうか。成就しなかった紗江の愛の方が余程……。

とりとめのない事を思い浮かべては、早く触れて欲しいという欲望が顔を出す。

昨夜の夫との情交を、私はまだ処理できずにいた。
この人を忘れたいと願っていた私が、今は昨夜の事を忘れたいと願う。

こんなふしだらな事を、平気で行おうとする自分に気付いていながら歯止めがきかない。


のろのろと進む車が赤信号で停まった時、彼の携帯電話が沈黙を破った。





/195ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ