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歪んだ鏡が割れる時
第3章 第三章
聞き違いかと思い、慌ててシャワーを止めた。

「どうしたの?」

「ごめん。すぐに行かなきゃいけない。……仕事でちょっと」

声が小さくなっていく。

「問題発生?」

「いや……、うん、ちょっとした不手際」

少しドアを開けて雅人を見ると、携帯電話を握ったまま、そわそわと落ち着かない。

「急ぐの?」

「そうなんだ」

「大丈夫?」

「大したことないから、すぐに帰って来れると思う。本当にごめん」

長身の夫が小さくなり、俯いて肩を落としている。

がらりと変わった夫の様子が少し滑稽で、また、そんなに謝る事柄でもないのにと、可哀想になった。

「ふふっ、急ぎの仕事なんだからしょうがないわよ。私は雅人の身体が心配なだけ」

「うん……」

「あまり無理しないでね。行ってらっしゃい」

「……行ってきます」

バタバタと準備に取りかかる雅人を見送りドアを閉じた私は、再びシャワーのコックを捻った。

ほっとしていた。

同時に、雅人のすまなそうな顔を思い出し、胸の隅が痛んだ。

昨夜の事を、夫なりに後悔していたのかも知れない。
風呂を沸かして妻を待ち、一緒に夕食を作り、談笑し、久しぶりの夫婦水入らずの時間を楽しんで、私の気持ちをほぐそうとしてくれていたのかも……。




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