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同級生
第1章 シーン1  
 バスルームはここのホテルのなかではかなり広くて豪華だった。

 丸い浴槽にはジェットバスと七色の水中照明が付いていて、浴槽の傍らにはテレビも付いている。

 お湯を浴槽に入れ、少し迷ったけれど泡が出る入浴剤を投入する。お湯が一杯になる頃にはふわふわの泡がいっぱいになって幻想的になる。

 ベッドルームに戻ると和也はベッドに腰掛けてテレビを見ていた。

 テレビは人気のクイズ番組で、お馬鹿な回答が面白いと人気が出たタレントが出演している。

「用意できたけど、入る?」

「あ、うん。」

 顔をこちらに向けると照明が暗いのに意外に色白なのが分かった。緊張しているのがこちらにも伝わってくる。
 
 こいつの目的は何なんだろう。クラスの中でもそう目立つ存在ではない。

 話はするけれど、個人的に親しくしたことはないし、和也があたしに好意を持っていたなどとは考えたこともない。

 まあ、それは置いておいても、問題はあたしの事を誰に聞いたかだ。その状況によってはこのバイトもおさらばしなければならないし、学校だって辞めなきゃいけなくなるかもしれない。
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