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第1章 シーン1　　

「うん。」

　力なく答える。和也の本当の望みはなんなんだろう。

「お風呂入る？」

「うん、一緒に入ってくれるの？」

「あんたの希望次第だけど、一緒に入りたい？」

「入りたい。」

「良いよ。」

　良くはなかったがにこっとして答える。

　本当はシャワーを浴びて客の体を洗って、ちゃっちゃっと済ませて帰るのが一番なんだけど、まあ普通そこは客商売でケースバイケース。

　だけど同級生に裸を見せるのは恥ずかしい。

　恥ずかしいがこの際仕方がない。和也は相変わらず真っ直ぐこっちを見ようとせず、あまりしゃべりもしない。

「あたし、お風呂の準備してくるから、テレビつけて見ていて。」

　どうも命令口調になるなあ。

　普段はお客さんの機嫌取る為と、どんな客か分からないから、最初はおそるおそる敬語使ったりするんだけれど、相手が同級生じゃあどうも調子が狂う。