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第1章 シーン1

　お願い、気付いて！声にならないうなり声のような音しか出ない。でも、それを続けるしかなかった。

　アナルにはバイブが侵入しようとしている。

　力が入っているところに無理やり推し進めようとしているので先端が入りそうになると痛い。

　こんなに暴れているのにどうしてわからないの？

　奈緒美は身もだえしながら思った。

　同じ事をしていても感じるときと嫌悪感しか感じないときがある。

　同じ刺激を与えれば必ずお同じ反応をするという事ではないのだ。

　男女の営みというものはその時々の感情や状況雰囲気などに大きく左右される。男性はともかく女性は間違いなくそうだ。

　レイプ願望などという女性がいても、それは本当のレイプではなく、あくまで設定がそうだという事にしか過ぎない。

　生命の危険が迫った状態でのセックスに快感を覚えるとしたら、それは常ならぬ世界の話でしかない。一般的ではない話なのだ。

　そういう世界には奈緒美は興味も無かった。