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忘れられないあの人
第1章 電車
平日の午後7時を回って、田町から京浜東北線に乗り込んだ。
7月の下旬、冷房の効き過ぎた車内も、密度の影響で適温になってちょうどいい。
しかし嫌なことも当然ある。それは、仕事帰りで疲れている体に、鞭打ちするかのような満員電車だ。これが蒲田まで続くのか。乗車率100%と、言ってしまえばそのくらいだがそれでもきつい。
なぜなら俺は電車通勤にはまだ慣れていないからだ。それもそのはず、この会社に勤めてまだ1ヶ月も経っていないんだ。理由はそうだと思いたい。体力の衰えだとは思いたくない。
いままでは仕事場まで直通のバスを利用していて、往復でも1時間程度の距離だったので、苦痛はそれほど感じていなかった。待てば必ず座れるし。
今の職場も駅近で電車の乗り降りだけなのだが、同じ往復1時間でも、やはり電車は大変だ。
なんて誰に対しての言い訳かもはや分からないな。ともあれ、一駅毎に奥へ奥へと追いやられていくなか、開くドアの反対側ドア付近の、吊り革のあるいいポジションへもってこれた。鞄は網棚に置いて、痴漢冤罪防止のため、両腕を上げてすることのない帰りの電車で、暇潰しにとひたすら頭を巡らせた。
小さな溜息が何度も出るなか、ふと、見知った顔を見た気がした。
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