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家庭教師とその弟
第1章 先生いらっしゃい
春の風が南向になり、少し開けた窓から覗く緑が生い茂ってきたころ、この心はもう定まったようにおもいます。そう、私は蝶の舞う空に向かって決心しました。
私こと梨花は今日こそ、先生に告白します!

先生は今月から1時間遅くなると言っていた。家はさほど遠くないのだが、通っている大学が電車通学で1時間半かかる。電車が大嫌いな私だが、先生と同じ大学に通いたいがために、今は猛烈勉強中である。同じ時期に在学はできないけれど、OBとして文化祭に来たりするので、やはり同じ学校に行くことは夢であった。

部屋の整頓はいつも以上にしたし、今日こそは、運命の日。いつもより丁寧にメイクもしたし、前髪も絶好調で、なんだかいける気がする。この日の為に制服のスカートは更に0.5cm切り詰めた。エスカレーターでは盗撮被害に遭うだろう丈の長さだ。ワイシャツのボタンはいつもなら二つのところを三つ開ける。屈むとブラが見えるようになっている。だから、ちょうど先生の目線からは谷間は丸見えってことになる、計算。小さい頃からのコンプレックス、巨乳を生かした作戦だ。ワイシャツの下には何も着てなくて、光の加減では白いブラがシャツ越しに見えると思う。20前後の男には、エロ作戦だと、経験人数9人のベテラン、親友のみこが教えてくれた。よし。
「がんばろう。。。」
心は勉強より告白の準備をしているなか、定刻に玄関のチャイムが同時に鳴る。
19:35
先生のお下がりのアナログ時計が5分早めに時刻を示していた。
テーブルに置いておいたスマホが光り、直立したままちらりと見ると、みこからファイト!のLINEが送られてきた。
さあ、言おう。今日は、その日だ。
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