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お礼の時効
第1章 私と一緒に住みませんか?
「このたび伊藤正子の弁護を担当することになりました時任春季です」

春季は立ち上がって名刺を浅野に手渡した。
浅野はその名刺をじっと見つめ、春季の顔を眺め目を細めて微笑んだ。

「久しぶりですね、時任さん」

春季は浅野の言葉に一瞬ためらい、一度も浅野と会ったことがないことを思い出し、それを否定した。

「お名前は存じ上げておりますが、お会いするのは初めてだと思います。どなたかと勘違いなさっているのではないでしょうか」
「勘違いではありませんよ、あなたは相変わらず美しいですね、14年前から何一つ変わらない、いや年を重ねたからかな、艶が出てきたように思えます」

浅野のよく通る低い声は耳に心地がいい。でも14年前に浅野とどこで出会ったというのだろうか。
春季は14年前を思い出した、もしかしたら大学で出会ったのかもしれない。

「14年前というと大学でですか?」
「初めてあったのは大学の入学式ですね、そのあと同じ学部で4年一緒でしたよ。あなたは覚えていないでしょうね、私のことなど」
「それは大変失礼いたしました。勉強に明け暮れていたもので」
「わかりますよ、私も同じでしたから。互いに同じ学部にいても、共通の友人なんていませんでしたからね」
「ということは浅野検事と私は同期になりますね、大学の」
「そういうことになりますね、どうぞ公判中は遠慮なくお願いしますね」
「わかりました、お気遣いいただきありがとうございます」

長い立ち話を終えてやっと本題に入る。浅野は春季にソファにかけるよう促した。

「ではお話を伺いましょうか――――

浅野は嫣然とした笑みを浮かべ、春季の話を聞き始めた。
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