この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
お礼の時効
第1章 私と一緒に住みませんか?
結果としてその「事件」は不起訴になった。
事件を立証できるものがほとんどなく、被疑者の自白もその信憑性も疑われたからだ。
事件を担当していた刑事は少々問題が多く、それは浅野も危惧していたようだった。
なんとか依頼を完了させることができて、春季はほっとしていた。

その数日後浅野から連絡が入り、渡したいものががあるからと、翌日の朝9時に地検の近くにある喫茶店に来てほしいということだった。
春季はこのとき不審に思った、なぜなら浅野から渡されるようなものに何一つ心当たりがないからだ。
しかし、万が一前日まで依頼を受けていた事件に関連しているものなら、代理人として受けねばならない。
浅野の言葉を思い出し、春季はため息をついた。

美しいとか容姿を褒めるのは女である自分に対しての社交辞令だ、それはわかっているのだが若いころならいざ知らず、いまの自分はすでに中年の域に足を踏み入れているようなものだ。そんな自分を褒めたところで浅野に利は何一つない。
浅野と対峙した同僚は食えない男だと話していた、それは春季も初めて浅野と「交渉」をしたとき感じていたが、こちらの主張を黙って聞いているかと思えば時に牙を剥く。
そのときの浅野の目はまるで冷酷な肉食獣を思わせ、春季はぞくりとしたのだった。

この男とは対峙したくない、例えこちらが勝つとわかっていても。

翌日になり、指定された喫茶店へ春季は向かった。
店内に入るとコーヒーの香りが鼻腔をくすぐる、周りを見渡すと奥の席でコーヒーを飲みながらなにやら本を読んでいる浅野の姿に気がついた。

その向かいに席に座り、自分もコーヒーを頼んでいるとき浅野はにこりと微笑んで春季に告げた

「時任 春季さん、私と一緒に住みませんか?」と
/80ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ