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お礼の時効
第8章 一緒に暮らしましょう
ようやく落ち着きを取り戻した春季が体を離そうと、自分の胸に置いた手で押しの避けようとしたが、もう一度彼女を抱きしめる腕に力をこめた。

「……もうあの人のことは終わったの……」

ぽつりと小さな声で春季は呟いた。背中を撫でると彼女は体を預けてきた。

「あなたしかいないの……」

春季の口から信じられない言葉が出て、体を離し彼女の顔を見下ろした。唇を引き結び、そこが震えている。春季の目からまた涙が溢れだした。

「春季?」
「あなたのせいで私の心はあなただけで一杯なの……。どう責任取ってくれるの?」
「え? 春季、今何て……」
「好きだって言ってるのよ! 馬鹿!」

グイと胸ぐらを掴まれ春季の顔に寄せられた。春季の整った顔が間近に迫る。目元が赤い、涙があふれ出そうだ。
唇に柔らかいものが当たる。春季の唇だった。
これは夢なのかも知れない。あんなに焦がれた春季が今自分を好きだと言って、唇を押し付けてきた。
思わず春季の体を抱きしめた。堪らなく愛おしさを感じた。
甘いミルクの香りがする。春季の香りだ。胸いっぱい吸い込んだ。

唇を放す。そして心に決めた言葉を口に出した。

「一緒に暮らしましょう。春季が死ぬまで『お礼』をさせてください」
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