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お礼の時効
第9章 私と結婚してください
 春季は事務所の自分の机の中を整理していた。
 ようやく手持ちの二つの案件が終了し、退職の準備を進めていた。
 退職してから来年の1月までは体を休め、新しい年から祥子のいる会社の企業内弁護士として働くことはすでに決めている。
 それまでの間に引っ越しをして……と頭の中で考えていた。

 しかし夕べ和臣から二つの言葉を告げられたことで、春季の予定は変更を余儀なくされた。

 和臣から告げられたのは二つ。
 「結婚」と「引っ越し」だった。
 春季はその言葉を聞き、特に動揺することも無く頷いた。

 和臣はそのことがよほど嬉しかったのか、そのまま抱きつかれベッドに押し倒されてしまい、その後二人で話し合うことが出来なかった。

 その時のことを思い出した春季はため息をついた。
 一番大事なことを二人で話し合うべきなのだが、引っ越しはともかく結婚となると二人だけの問題ではない。

 互いの両親も少なからず関わる問題なので、和臣と話をしようとメールを打った。

 和臣からは週末を利用して互いの実家に行こうと返事が来た。
 その後春季は自分の母親に連絡し、週末に行くことを告げた。
 電話の向こうの母親は特に訝しんでいる様子もなく、あとは和臣を連れて行くだけだと考えていた。

 結婚は勢いとはよく聞くが、その通りだと春季はしみじみ感じた。
 一つ気がかりがあるとすれば、それは和臣の転勤のことだけで、あとは特に不安は感じなかった。
 検事である以上、異動は避けられない問題だろうし、そろそろ和臣がその時期だということも知っている。

 ふと、祥子の顔が浮かぶ。
 転職して早々結婚することになると春季は思い、祥子に話をしておこうとメールを打った。

 祥子からは昼なら時間がとれると返事が来たので、そのまま待ち合わせの場所と時間を決めた。
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