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幸せの時効
第7章 困惑
 二人で登庁したことで地検の皆は動揺を隠せないようだった。
 特に私の事務官はかなり動揺していたせいか、その日はまるきし使い物にならなかった。

「高島検事、相模検事正とその……、お付き合いを?」

 おどおどしながら事務官は尋ねてきた。

「あなたはそう思ってるの?」

 事務官は顔を真っ青にしていた。

「ま、まさか……。ただの……」

 何を彼が言いたいのかわからない。ただ決して良い言葉ではないような気がした。あれをどう呼べばいいのだろう。私は相模をどう思っているのだろう。漠然とした質問が頭によぎる。ただ、過去の過ちだけは繰り返していない、それだけでもどこか安心している自分がいた。

 正直相模のことを好きかどうかは分からない。だけど抱かれても良いと思う自分がいた事は事実だ。それをふしだらというならば、私は15年前からふしだらな女だったのだろう。
 昨夜はまるではじめてのときのように体が痛んだ。15年もしていないのだから当たり前なのかも知れない。
 人の肌の温もりが私を安心させたのも事実で、私は久しぶりに熟睡していたのだから。

 その後何度か相模と食事をしたが、ホテルに行くことはなかった。それと思わせる誘いもない。内心ほっとしていた。
 つまり私は彼を愛しているわけではないということだ。愛していれば体も心も一つになりたいものだし、私は15年前それを体験していたのだから。

 少しだけ自分を許そうとしたのが、そもそもの誤りだった。春季から自分をそろそろ許してあげてと言われたけれど、結局私はまたあの夜の光景を思い出してしまっている。

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