この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
幸せの時効
第7章 困惑

二人で登庁したことで地検の皆は動揺を隠せないようだった。
特に私の事務官はかなり動揺していたせいか、その日はまるきし使い物にならなかった。
「高島検事、相模検事正とその……、お付き合いを?」
おどおどしながら事務官は尋ねてきた。
「あなたはそう思ってるの?」
事務官は顔を真っ青にしていた。
「ま、まさか……。ただの……」
何を彼が言いたいのかわからない。ただ決して良い言葉ではないような気がした。あれをどう呼べばいいのだろう。私は相模をどう思っているのだろう。漠然とした質問が頭によぎる。ただ、過去の過ちだけは繰り返していない、それだけでもどこか安心している自分がいた。
正直相模のことを好きかどうかは分からない。だけど抱かれても良いと思う自分がいた事は事実だ。それをふしだらというならば、私は15年前からふしだらな女だったのだろう。
昨夜はまるではじめてのときのように体が痛んだ。15年もしていないのだから当たり前なのかも知れない。
人の肌の温もりが私を安心させたのも事実で、私は久しぶりに熟睡していたのだから。
その後何度か相模と食事をしたが、ホテルに行くことはなかった。それと思わせる誘いもない。内心ほっとしていた。
つまり私は彼を愛しているわけではないということだ。愛していれば体も心も一つになりたいものだし、私は15年前それを体験していたのだから。
少しだけ自分を許そうとしたのが、そもそもの誤りだった。春季から自分をそろそろ許してあげてと言われたけれど、結局私はまたあの夜の光景を思い出してしまっている。
特に私の事務官はかなり動揺していたせいか、その日はまるきし使い物にならなかった。
「高島検事、相模検事正とその……、お付き合いを?」
おどおどしながら事務官は尋ねてきた。
「あなたはそう思ってるの?」
事務官は顔を真っ青にしていた。
「ま、まさか……。ただの……」
何を彼が言いたいのかわからない。ただ決して良い言葉ではないような気がした。あれをどう呼べばいいのだろう。私は相模をどう思っているのだろう。漠然とした質問が頭によぎる。ただ、過去の過ちだけは繰り返していない、それだけでもどこか安心している自分がいた。
正直相模のことを好きかどうかは分からない。だけど抱かれても良いと思う自分がいた事は事実だ。それをふしだらというならば、私は15年前からふしだらな女だったのだろう。
昨夜はまるではじめてのときのように体が痛んだ。15年もしていないのだから当たり前なのかも知れない。
人の肌の温もりが私を安心させたのも事実で、私は久しぶりに熟睡していたのだから。
その後何度か相模と食事をしたが、ホテルに行くことはなかった。それと思わせる誘いもない。内心ほっとしていた。
つまり私は彼を愛しているわけではないということだ。愛していれば体も心も一つになりたいものだし、私は15年前それを体験していたのだから。
少しだけ自分を許そうとしたのが、そもそもの誤りだった。春季から自分をそろそろ許してあげてと言われたけれど、結局私はまたあの夜の光景を思い出してしまっている。

