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第8章 シーン8

　そうしてから、今日はルージュを塗らず、リップクリームだけの唇でパジャマの下腹部をまさぐる。

　すぐに唇に和也の男性自身の感触が伝わってくる。パジャマ越しのまどろっこしい感触でも、十分興奮を掻き立てる。

「もう、キスして欲しい？」

「うん。」

「じゃあ、縛ってくれる？」

「今？」

「そうよ、今縛って。そうしてこの写真みたいにしてあげる。」

　写真の中には亀甲縛りにされて、さらに股縄を施された女性が、裸の男性の前にひざまづき、男性器を咥えていた。

　刺激的な一枚だった。

　こういう写真が刺激的に見えるのには条件があると思う。

　モデルがスタイルがよく、美しく、縛りそのものも奇麗でなければいけない。

　女性の苦悶の表情が重要なことはもちろんだけれど、見て美しくない絵柄は興奮も感動も呼ばない。単なるグロで終わってしまう。

　その点今和也に見せた一枚は間違いなく彼の刺激中枢に過剰なほどの電流を流したはずだ。