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小田桐菜津子と七つの情事
第4章 四人目は同級生
高校の頃、鈴村奈津子は学校のミスコンに出るような華々しいキャラではなかった。
身長が170の手前くらいまであって、大抵の男子と同等かそれ以上の上背があった。
大人になったいまならほんなことは大した問題じゃないが、自意識の強いあの頃は自分より背の高い女なんて認められない空気があった。
その中にあって鈴村には結構ファンが多かった。
顔だってそんなに美人って訳でもないのに、鈴村が競争率高かったのは、彼女が大抵の男子と気さくに話ができるという性格にあったからだ。
馬鹿話や下ネタだって受けて立つような。いつも明るく笑いながら、オレ達とふざけ合っていた鈴村。
同じ学年の奴には手が出せず、結局は上の学年の先輩と付き合っているというのが定説だった。
「実際のトコ、東海林先輩と付き合ってたのかよ?」
居酒屋のビアジョッキを傾けながら、何気ない風を装ってオレはそう聞いた。
本当はあの頃、いちばん気になっていたことだ。