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小田桐菜津子と七つの情事
第5章 五人目の戸惑い
ぼくは通路側の席を取った。
土曜日の昼過ぎ。ぼくらの田舎から上京する人の群れで、新幹線は満席だった。
ぼくは窓辺が良かったけど、そこはもう、空きがなかった。それで致し方なく座った席。何気なく窓の方を向くと、大人の女性が座っていた。
きれいな人だな、と思った。
長い手足。
とがった顎。
なんというか、バランスのよく整った身体つきだ。ぼくの嫁にはこういうタイプがいいな、と思った。質実剛健な農家の嫁には向かないだろうけど。
彼女のスカート。
膝上少しの丈の、タイトスカートだった。
いやらしい感じは全くない、上品なスカートだ。残念ながら女性の服には疎いので、それがどういうスカートなのか説明することはできないけど。
そこから伸びる、形のいい膝小僧を見ていた。
窓の外では、中央日本の山の風景が飛ぶように流れてゆく。
この人の膝を開いて、ゆっくり腰を押し入れていくことを、ぼくはその時、想像していた。
そして彼女はこちらを見た。