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小田桐菜津子と七つの情事
第5章 五人目の戸惑い

今の彼女とのセックスは、正直自信はない。
彼女が本当に気持ち良くなっているかどうか、ぼくにはわからない。
AVで見るように、彼女は明確に「イク」なんて言ってくれないし、時々全部芝居なんじゃないかって思うこともある。
でも、やさしくて丁寧なセックスをした後、ふたり裸のままベッドの中で何気ない話をしている時、ぼく本当に幸せだな、と感じる。
セックス自体の気持ち良さは、正直に言うと、オナニーの方がよほどいい。
けれど相手がいて、コトが終わった後の甘い余韻の中で、学校の話とか将来の話とかをしている間、あーこれが人を愛することなんだなって、しみじみ思うことがある。
普段なら言えないことも、その時には簡単に口にできるような。素直になれるような。
そういうのがあるから、セックスって素敵なんだって、そう思っていた。

八朔さんに会うまでは。
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