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小田桐菜津子と七つの情事
第5章 五人目の戸惑い

彼女はこちらを見た。
瞳に色はなかった。
ぼくは胸のうちの妄想を気取られぬよう、目をそらし、必死に顔色を隠した。

するとその人はこちらを見ていた目線をそらした。
ぼくは彼女に気づかれぬよう、そっと安堵の吐息を漏らした。
と。

彼女の指が、スカートの裾をつまんで。
視界の端にその動きが見えた。つ、そちらに目が行ってしまう。

あぁ…。
目がそらせない。

彼女の指は、そのスカートを、ゆっくりとつまみあげてゆく。
膝の先の白い太ももの素肌。スカートの下に広がっていた透きとおったスリップの花模様の刺繍。
スカートからわずかに顔をのぞかせたその下着の薄布を、彼女はスカートと一緒につまみあげていた。

あぁ…。

彼女の下着が。

太ももの上の…。

イエローの…。
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