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小田桐菜津子と七つの情事
第5章 五人目の戸惑い
ダメだ。頭が回らない。それらしい嘘が、うまく出てこない。焦るばかりで、指先はスマホの画面を何度も滑るけれど、文字をつむぐことができない。
八朔:ビックリして、混乱させちゃったかな?
矢上:はい。。すいまsん
ミスタイプしたまま、送信してしまった。
八朔:フフw そうよね。ビックリしちゃうわよね。ごめんね。
矢上:いえ
八朔:勃起しちゃった?
何気なく、その言葉が画面上に表れて、顔から頭の先まで一気に発熱した。アニメだったら頭から湯気を吹くような、そんな気持ちだ。
八朔:おしえて…おばさんの下着見て、勃起しちゃった?
矢上:おばさんだなんて
八朔:いいのよ。本当のことだもん。
おばさんだなんて思いもよらなかった。確かにぼくよりずいぶん年上だけど、とてもスラリとして、きれいな人だな、って思ってた。
矢上:そんなことないですよ。あの、
すごくきれいですよ。
八朔:まぁ。。嘘でもうれしいw
で?
矢上:え…?
八朔:最初の質問。忘れたふりしないの
矢上:はい
その後しばらく間が空いてしまった。