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小田桐菜津子と七つの情事
第1章 最初の情事


ベッドに仰向けにしたひとの、立てた膝を割る。
薄暗くした部屋の照明の中、形の良い太ももの、白い肌が光るように見える。

指先で、探るように内腿の素肌に触れる。
じらすように、癒すように。
やさしく、ソフトに。丁寧に、時間をかけて。

彼女の中で熱が高まり、身体にうるおいが満ちてくる。
あたりに甘酸っぱい匂いが立ち込めて、彼女の呼吸が浅く、素早くなる。
指先が、ショーツのふちに触れる。脚の付け根、ショーツのVラインを指先でなぞる。
彼女の腰が敏感に反応し、高い声とともに身がのけぞる。

何も、言葉をかけない。

変に言葉をかけると、精神的な結びつきが生まれてしまう。身体を、性を動かす、というのはそういうことだから。
でも私が施行しているのはあくまでマッサージ。
顧客との同意があるとはいえ、それは性行為ではなく、治癒行為の一環だから。
だから心には踏み込まない。

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