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小田桐菜津子と七つの情事
第6章 痛みを覚えた六人目
やがて、女は腰を少し前にずらし、両脚をソファーのひじ掛けに置いた。
下着姿のまま、私の目の前で女が股間を晒していた。
私は無言でしゃがみ込んだ。
女の椅子の前の床に膝をつく。そして上体を傾け、濃紺のショーツのクロッチの部分に顔を寄せる。
女はこれからなされることに気づけない。
ただ、荒い息をしているだけ。
私は女には触れない。絶対に。
ただ、
くん…、くくん……
と、鼻息だけを立てて、女の秘部の香りを嗅いだ。
「何を…!?」
女の焦る声がする。
「黙れ」
私は静かに一喝する。
「口を、開くな」
女の脚がわずかに竦(すく)む。
一瞬、閉じかけたM字開脚を、元の姿に戻すまでの数秒。
女の中でのためらいと羞恥が、好奇心と卑猥さにシフトして行く数秒。
案外、こういうプレイの最初のこの瞬間が、最も楽しいのかもしれない。私たちのような男は、この瞬間にある種のエクスタシーに達する。そしてこの後は、女を服従させるようにみせる奉仕の時間が続くだけなのかもしれない。