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小田桐菜津子と七つの情事
第6章 痛みを覚えた六人目
くん、くくん…
女の秘部の香りは、わずかな小水の酸味と、それを上回る蜜の甘酸っぱさに満ちている。女のココの匂いは顔や体型と同じように人によって千差万別であり、かつ同じ女でも生理の前後によって全く違う香りを発する。
女が腰をよじる。
目隠しされたまま、下着姿で見知らぬ男の前に股間をさらし、性器付近の匂いをかがれている、というシチュエーションに、どうしようもなく興奮し始めている。そしてそんな自分を必死で抑えようともしている。
ある種の女は、ここで羞恥心を解き放ってしまう。積極的に性の快楽に溺れ、いや、自ら飛び込み、主人に恭順する。
かつて、そういう女を何人か相手にしたことがある。そしてある時から、そういう女には全く興味を惹かれなくなった。
そのような女は目つきで分かる。
最初のアプローチの時に、無遠慮なまでにこちらの目を覗き込むのが、そういう女に共通した癖だ。
ーー目は口ほどに物を言い。
その格言の通りに、そういうあけすけな女には、こういうプレイは恐らく合わない。
精神的に未熟なのか、あるいは底が浅いのか。
いずれにせよ、これは精神の戯れなのだ。縄や道具に拘泥(こうでい)する向きもあるようだが、私はそこには全く惹かれない。
そのために大切なのは、道具ではなく、パートナーだ。
やれやれ。
私はこの女の、高まってゆく秘部の匂いをかぎながら、ため息をつく。
ヤバい女だ。
本当に。