この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
小田桐菜津子と七つの情事
第6章 痛みを覚えた六人目


自分で言うのもなんだが、私は不細工な顔つきをしている。ひしゃげた丸顔にゴツい眼鏡。昔のアニメに出てくる浪人生みたいな風貌だ。
もっともその風貌のおかげで、不思議な人物達の役柄が途切れることなくやってくる。
また、この朴訥な喋り方も気に入られ、最近ではナレーションの仕事も増えてきた。

「こんな見た目で変態だなんて、ヒネリがなさすぎるって仲間は笑うんですけどね」
ふふ、と、小さく女は笑った。
「でもいいじゃないですか。大人になれば誰もがみんな、少しずつ変な部分を隠しもってますからね」

その言葉に初めて顔を上げて、この闖入者(ちんにゅうしゃ)の顔を見た。目を、覗き込んだ。その奥に、かすかな光を見た。

「はじめまして」と私は言った。「ーーと申します」
女は一拍戸惑ってから、微笑を取り戻し、返事を返した。「小田桐、と申します。突然お邪魔しまして申し訳ありません」

いい女だな、と思った。
見た目でなく。
そのこざっぱりとした物言いが、だ。

東京のあるメーカー勤務で、ここへは出張できていること。学会に出席した高名な大学教授の接待を、今まで下の階の懐石料理屋でしていたこと。その席がお開きとなり、このホテルにある部屋に戻る前にここで一杯、飲もうと思っていた。
続く数分の会話の中で、女はそんなことを喋った。

/233ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ