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小田桐菜津子と七つの情事
第6章 痛みを覚えた六人目
声のトーンが変わる。
自分でもそれがわかる。
「え?」
女は戸惑う。
攻め時に攻めるのが肝腎だ。
「私は変態だと言ったね。あれは例えでもなんでもないんだよ。SMで言えばS。そう呼ばれることに興味はないけれどね。
もし君が、そういうことに興味があるなら、後で私の部屋に来なさい。14階の1405だ」
そこまで言って、私はグラスを仰いだ。
カラカラと涼しげな音を立てて、氷が鳴った。
女は、何かに貫かれたように押し黙っていた。
私はひとりで部屋に戻った。