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小田桐菜津子と七つの情事
第6章 痛みを覚えた六人目
「いゃぁぁ…」
腰をよじり、その手を逃れようとするが、身体の可動軸を的確に押さえれば、人はそうそう簡単に身動きは取れないものだ。
「ダメです。ホントに。恥ずかし……っ」
紺色のショーツのクロッチの中心に、ゆっくりと染みが浮かんでくる。
嘘のない、美しい模様だ。
「垂れているな」
「……」
「下着に染みがついているぞ」
「やめて…」
「たったこれだけで、垂れるほど濡らしてしまうんだな」
「…だって」
「認められないか?」
静謐な真夜中の部屋。
窓の外では週末の喧騒。それも高層階の分厚い窓に遮断され、どんな音もここには届かない。深海の密室のようだ。
股を開いて椅子に座る女。その前にしゃがむ私。
我々は小さな声で会話しながら、互いの精神のギリギリの部分でせめぎ合う。
「答えろ。認められるのか?」
問いながら、私の指は、その染みの芯に触れる。
「っつ!」
女が身を震わせる。
染みの中心に、指先を突き立てられ、押し込まれる。
溶けた核心を、そっと、貫かれる。