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小田桐菜津子と七つの情事
第6章 痛みを覚えた六人目
「わたし、濡れなかったんです。ずっと…」
女がため息をつきながら、そう、言葉を漏らした。
「夫とのセックス。ずっと濡れなかったんです。去年の中頃から…しばらくの間」
私は何も言わなかった。
ただ、そっと、性器をスローに撫でていた。
「あぁ…。仕事が忙しすぎたせいか…、ストレスなのか…。」 ため息。
「濡れなくて…痛くて…。セックスができませんでした。主人と…」
私の指先から、何かがこぼれ落ちてゆく。
何かの熱が。
「オナニーして。それからネットで知り合った顔も知らない人とチャットでいやらしいことして…。だんだん我慢ができなくなって…。リアルに誰かと会ったり…、行きずりの人としたり…」
私の指は、女の性器の縦筋をソフトに往復する。
「いまは充分、濡れているな」
張り詰めたクリトリスを見つけ、
「…つっ…」
それをやわらかく撫でる。
「また、ちゃんと濡れるようになりました。濡れなくて、怖くて。セックスが。…その時の気持ちが少しずつ薄れて…」
クリトリスをゆるく、撫でる。
もはやプレイの領域を超え始めていることに、私自身が気づいていた。
「そしたら私、どうしようもなく、欲しくなったんです。私、どうしようもないくらいに…」