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小田桐菜津子と七つの情事
第7章 最後の情事
「誰とも、付き合ってなんか、いないよ」
ぼくのペニスは一気に硬さを失っていた。
なっちゃんの白い背中は沈黙したままだった。
ぼくはその肩に手を置いて、彼女が口を開いてくれるのを待った。
永遠、かと思った。
その時間が。
「本当に?」
そして、やっと、彼女は言葉を告げた。
「本当だよ」
ぼくもやさしく言った。
彼女の身体から、力が抜けた気がした。
こちらにしなだれかかってきたなっちゃんの細い身体を受け止めた。
あぁ、最悪の場面を脱した、とその時思った。
「でも濡れないの」
「うん…。分かった。疲れてるんだよ、きっと。なっちゃんこのところ忙しかったもの」
「しばらく、しなくても…平気?」
平気も何も、ぼくらは全然、していなかった。
でもそんな皮肉を言っている場合ではない。
「うん」
とぼくは言った。「なっちゃんが大丈夫になるまで、待てるよ」
心の底から、そう言えた。
あの女とは手を切ろう、とその時思った。