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小田桐菜津子と七つの情事
第7章 最後の情事
初めての浮気だった。
ぼくは女性のいる飲み屋に行くことはないし、風俗に行くこともない。女性と接することにお金をかける価値を感じないのだ。
だから多くの男性がカジュアルに楽しむ、お金を払っての女性との性行為みたいなことも未経験だった。
かといって、性に興味が全くないわけではない。
なっちゃんと結婚する前はそれなりに女性とお付き合いもしたし、アダルトビデオだって結構見る。
それに、これはなっちゃんには黙っているが、海外の学会などに行くと、不思議と集ってくる研究者同士のワンナイト・アフェアみたいなものもあった。
そういう意味では同じ研究者同士、話も合うし、互いにその地では異邦人ということも手伝って、気軽にベッドを共にすることがしばしばあった。
絵里子さんと寝たのは、そんなカジュアルな流れだった。
ただ、その場限りの海外の学会ではなく、普段の勤務先の北関東の研究所近くのマンション、というところが問題だったわけだけど。