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小田桐菜津子と七つの情事
第2章 二度目はクンニリングス
お店から駅まではあっという間。
「じゃ、また明日、メッセで」って言いかけながら、やっぱり名残惜しくて。
「ねぇ、八朔さん」と声をかけました。
本当はその手を取りたかったのだけど、そこまではできなかったなぁ。
「ん?」と振り向いた声が、何かを期待するように思えたのは、お酒の勢いのせいかな?
「もう少し、話さない?」
「えーと、そろそろ家に帰ってお夕飯の支度しないといけないんだけど…」
「あと1時間だけ」
「1時間はキビシいかも」
「じゃあと30分だけ」
夜のネオンを背景に、彼女が頬笑んだような気がしました。
「ウチにメールするね」と言って彼女はこちらに背を向け携帯を打ち始めました。
そこからどういう言葉で彼女をネットカフェの個室に連れて行ったのかは、正直よく覚えてません。たぶん結構ぐだぐだの口説きだったのかも、と思います。本や映画だとこういう時はスマートに格好よく女性を誘えるのだけど、いやぁ、リアルってほんとにみっともなくて格好わるいですよねぇ。
事前に会社で調べておいたネットカフェまで迷わずに着け、DVD観賞用のペア個室が空いてた、というのは実にラッキーでした。
個室の中は、でっかいテレビがあって、黒革のソファーがあって。PCが二台。
ふたりでスリープ状態のPCを起動させて、いつものメッセンジャーにログインします。