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小田桐菜津子と七つの情事
第2章 二度目はクンニリングス
こういうのは間を置いちゃいけません。
ビジネスで言うところの、火急的かつ速やかに、って奴です。
その週の金曜日、お互いにすこしだけ早めに会社を出て、このあいだの駅で落ち合いました。
彼女の通勤路ではあるものの、普段なら降りる用事のない駅。
ぼくにとっては家と正反対の方向にある駅。
駅前の繁華街を抜けた裏通りに、そのラブホテルはありました。
まだ夕食の時間には少しだけ早いタイミング。ぼくたちは互いの緊張を隠しあうように軽い調子で話をしながら、何気ない振りをして、ホテルのエントランスに入ったのでした。
ロビーで部屋を選び、カードキィを受け取って、エレベーターに乗って。
ぼくはそこで、彼女の手を取りました。
彼女はうつむいて、すこし悲しげな顔をしていました。
ぼくらはなにも言わずエレベーターの箱から出ると、人気ない廊下を歩いてカードキィのナンバーの書かれた扉を開け、部屋の中に身を滑り込ませました。