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小田桐菜津子と七つの情事
第2章 二度目はクンニリングス
「ごめんね、リン君」
逡巡(しゅんじゅん)しているぼくに、背を向けたひとの声が聞こえた。
「勝手に。ごめんね」
謝ることじゃない。
「謝ることじゃないよ」想いと同時に、言葉が出た。「大丈夫だった?」
「うん」
「ごめん。本当に」
「なんで謝るの?」
「リン君に、、、」
そこでまた、言葉が途絶えた。
「ぼくのことは気にしないで。
八朔さんのしたいようにすればいいんだよ。
セックスのことは、とても微妙だから、
どうしようもないことってあるよ」
なんとか言葉をつながなきゃ、と思って、適当なことを喋っていた。
「気にしないで、八朔さん。
意地悪なことしすぎちゃったなら謝るよ」
「そうじゃないの。そうじゃない」
背を向けた彼女が、ゆっくりと身を起こした。
そしてこちらを向いた。
とても美しいひとだ、とその涙をたたえた瞳を見て、いまさらのように気づく。