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小田桐菜津子と七つの情事
第2章 二度目はクンニリングス
おいで。
広げた両手の中に、彼女が入ってきた。
ぼくらは裸のまま、抱き合った。
彼女は、すこしだけ、しゃくり上げた。
涙のつぶが、裸のぼくの肩に、数滴、こぼれた。
他人の涙って案外冷たいんだな、とその時とんちんかんなことを感じていた。
「あたしね、逝きそうになっちゃったの」
「うん。判ってたよ」
「でもね、逝ったことないの」
「いままで?」
「ん」
「普段のセックスでも?」
「ひとりのときは逝けるけど」
「そお…」
そういうことか、と思った。
「だから、なんか怖くて」
「深く逝きすぎそうで?」
「うん」
そっかぁ。
「そっかぁ。。。
それは、
うん……ごめん」
「リン君は謝らなくていいの」
「けど。
なんか、わかってたら、もっと上手にしたのに。
ごめんね」
「セックスしたのも、何年ぶりだから」
「ん」
「がっかりしたでしょ?」
「ばかだなぁ。
がっかりするわけないじゃん。
八朔さんのこと、すごい可愛いって、
マジで思ってたよ」
「うそばっかし」
そういって、彼女が小さく笑ってくれた。
ぼくの、冗談めかして言った、本気の言葉を笑い飛ばされたから、逆にこちらも肩の力が抜けた。