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小田桐菜津子と七つの情事
第3章 甘い舌の三人目
そう来ると思っていた。逝ったからもう止めてもいい、と。
しかしここからが本番だろう。
すこしズレつつあった八朔さんの腰を引き寄せ、より舌を絡めやすい位置に身体を動かす。
え?、という彼女に、
「もっと…続きを経験してみてください」
と伝える。穏やかな声で。
そしていま一度、その潤った果実に鼻先を埋める。
舐め続けられて、ふやけてしまったかのような彼女の花びら。すっかり甘い香りを放つそこに、唇を寄せる。指先で果実を大きく開き、その蜜を味わう。
「嘘…」
驚いたような声が聞こえる。けれどもそれに構わず、ピチャピチャと水音をたてながらその赤い谷間を舐めつける。
「はぁん…はぁぁん」
彼女の声に蜜が混じって、やわらかく糸を引く。逝ったあとにも、まだクンニが続く。
その意図が彼女に伝わる。
逝ったばかりなのに、という戸惑いが、でもなにこの気持ちよさ、という反応に変わる。
セックスにおいて、逝くこととは何だろう。
多くの性の指南書には、女性の逝かせ方が詳細に書かれている。けれど、逝ったあとのケアの仕方が書かれた本は少ない。
私のささやかな体験を語るなら、逝ったあとはその高みを維持してあげることが、パートナーの満足度を高める早道だ、と思う。エクスタシーの山は、富士山のような頂点をひとつ持つだけの山でなく、八ヶ岳のようにいくつもの山頂が連続する山脈だと思っている。
最初のエクスタシーの後は、次のエクスタシーがある。男性の射精とは全く違う女性の快楽のメカニズムを、もっと深く理解して奉仕に当たるべきだ、と私は常々思っている。