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小田桐菜津子と七つの情事
第3章 甘い舌の三人目


夢中になる。
女性の性器をこうして刺激し続ける。
相手の反応を見ながら、様々に手を尽くして甘やかな刺激を与え続ける。
技術だけでなく。
例え一度限りの相手だとしても、出来うる限りの敬意と愛情を込めて。儚(はかな)い壊れ物を扱うように、丁寧に。慎重に。
そうした事を続けていると、時間はあっという間に過ぎてゆく。
一時間?
二時間?
どれくらいこうしているのだろう。
クンニリングスの間は、まるでワープしているように時間の感覚が狂う。
まさに、夢中という言葉通りの時間が過ぎてゆく。

そして八朔さんのピークが訪れる。
きっと今まで経験したことがないような、ゆるやかに上り詰める絶頂。
それが、絶頂であることすら、それが訪れるまで分からないほどの、とても自然なエクスタシー。

「くふぅぅぅぅぅぅぅ…」
長い溜息が漏れるかのように。
彼女の身体が弓なりに反る。
快感を身体じゅうが受け止めて、いなそうとしてかなわず、全身が硬直する。
素晴らしいエクスタシーの姿だ。
こんな風に集中する女性は、女神のように美しい。身体をのけぞらせたまま、ちいさく痙攣する彼女。
「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ……」
最後にひと声を立てて、八朔さんは絶頂の山から下りてきた。
そしてそのまま、意識をゆっくりと失うように、眠りに落ちた。

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