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運命の恋人
第1章 朋会
初めて彼女を見た印象は、綺麗な顔をしているな、と思った。
自分の課に配属されてきた新入社員の女の子。
それ以上でも以下でもない。
好みのタイプではなかったし、この春に課長に昇進したばかりだった僕が、一課員をそんな目で見るわけにもいかない。
強いて言うなら…
もっとニコニコしていればいいのに。
女なんだからのべつ幕無し愛想を振りまけ、とは言わない。
そんな男女差別をするつもりもない。
そんなこと言おうもんならセクハラで訴えられる。
単純に、揉め事を起こさない子ならいいな…と思った。
美人てそれだけでやっかみの対象になり易いから、ただでさえ女性の多い部署で、派閥とかできたらやり難いなぁ、と思ったのだ。
あとは、せっかく綺麗な顔なんだから、もっと効果的に使えば凄い武器になるのに。
そんな能面みたいな無表情じゃ靡く男も靡かない。
不器用なんだろうな、勿体無い。そう思った。