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運命の恋人
第1章 朋会
そのイヤリングをつけて、順ちゃんの前でくるりと回って見せた。
耳元で小さなお花がちりちりと揺れた。

「へぇ、こんな可愛い嫁さん貰えんのかぁ。嬉しいなぁ」

って、順ちゃんが笑った。

両思いだ、って信じてた。

その日から、私はそれまで描いていたお姫様の絵を書くのをやめた。

幼稚園の友達はみんな、ピンクや水色のドレスを着たシンデレラみたいなお姫様とか、魔法使いとか、白馬に乗った王子様の絵を描いていたけど、私は真っ白のウエディングドレスを着た女の子の絵を描いた。
もちろん自分のつもり。
耳には白いお花のイヤリング。
横には黒いタキシードを着た順ちゃん。
2人仲良く手を繋いだ絵をたくさん描いた。
先生にも、得意げに、私の婚約者なの。と自慢した。
なんてませた子だろうと思われていただろうけど、あれは、当時の私にとっては真実だった。

真実だと、信じてた。

………あの日までは。




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