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運命の恋人
第2章 昌希
そもそも提出物なんてタブレットからメール送信で済むはずなのに、英語の担当教諭は偏屈で、タブレットにタッチペンで書かれた文字が読み難いと、未だに紙のテキストを配るし、ノートの提出に拘る。
これだから年寄りは。

以前の彼女なら、こんな状況になったら、頼まなくてもきっと誰かが手伝ってる。
なのに、今彼女の周りには手伝う奴なんかいない。
てかもう一人の日直の加賀はどうしたんだ…

「小谷さん、加賀も日直でしょ。何で一人で運んでんの?」

「…加賀くん?さぁ。授業が終わった時には見かけなかったわ」

「重いでしょ、それ。手伝うよ。貸して」

「いい。」

「何で?」

必要ないって言ったって、足元が若干ふらついてる。そうですかと放っとける状態じゃなかった。

「同情なんか、要らない。皆が私のことなんて言ってるかくらい知ってるよ…どうせ…幸村くんだって同じこと思ってるんでしょ?すぐバレるような嘘つくバカな女だって。」

「それと、今のこの状況はあんまり関係ないと思うけど。」


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