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よくある恋愛モノ 〜見えない心〜
第1章 揺れる気持ち
「ああ…分かってる……ん」
凪は電話を切ると、眠る美和を優しく見つめた
起こさないように、そっと髪に触れ−−−
ガチャ
バタン
「ただいまー!」
凪は妹の声に驚き、慌てて手を引っ込める
「ん……」
彼女が少し動き、ゆっくりと目を開けた
「……!」
そのまま目を最大限まで見開いてフリーズする美和
「お兄ちゃーん、あのさー」
部屋の前で自分を呼ぶ陽菜乃の声に
「ちょ、待て! 今行くから入ってくんな!」
普段聞かないような兄の焦った声
「……?
はぁい」
妹の足音がリビングの方に消え、ほっとため息をつく
「な、凪……」
「ん?」
振り向くと、美和がものすごいショックを受けた様子でこちらを見ていた
「なんで私たち裸なの……?」
怯えたような、非難するような瞳
「……おい。それじゃ俺が無理やり犯したみたいだろうが」
凪は美和に顔を近付けると、
「覚えてないのか? 最初から全部再現してやろうか?」
からかうようにそう言った
美和は左右の目をキョロキョロと交互に見つめ−−−
「あっ」
と小さく声を上げた