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よくある恋愛モノ 〜見えない心〜
第3章 消せない過去、喪われた想い
親しげに話す二人を悠は置いてけぼりを食らったような顔で交互に見る
「ありがとう」
「ん……」
“……?”
「北里くん?」
「え? あ、えと……じゃあ」
「?
また明日ね」
どことなく不自然さを残して彼は去っていった
後ろ姿を目で追いながら、悠は美和に質問する
「誰、あれ?」
「同じ学部の北里龍青くん。悠、こないだ実験の班隣だったけど?」
「そうだっけー? よく覚えてんねー」
あんなイケメンいつもなら絶対見逃さないんだけどなー、と冗談か本気か分からない様子で言う
「でも一ヶ月で名前と席覚えてるとか、あの人は美和ちゃんを好きとみた」
「ないない。中高同じだったから馴染みがあるだけだって。クラス一緒だったの中学だけだし」
「分かってないなぁ。最後の彼の顔見た? 凪くんのライバル登場か!?って思ったよー」
「俺がなんだって?」
いきなり後ろから声を掛けられ、二人は飛び上がった
「凪! なんで……」
「お前がおせーからこっち来たらなんかぐだくだやってたから。
で、俺がなんだって?」
「べ、別に……」
「リューセイくんて人の話だよ! 同じ学校だったんでしょ?」