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よくある恋愛モノ 〜見えない心〜
第3章 消せない過去、喪われた想い
「あ、さっきの……」
「田島悠です☆
えーと、名字なんだっけ?」
持ち前の気さくさで親睦を深めようとする悠
だが相手はそういうタイプではないようだった
「北里です。北里龍青」
「そうそう! 名前がスゴすぎて印象に残んなくて」
「よく言われます」
「……」
そんなやり取りに思わず黙ってしまう
「何か?」
"これは……もったいない!"
優面でカッコ良くて、その首を傾げる仕草とかすごく可愛いのに!
「カタいなあ」
悠は口を尖らせて言った
「もうちょっと柔らかくいこうよ!」
「え、えと……」
龍青には言われている意味がよく分からないらしい
「すみませ……」
「敬語禁止」
「……ごめん」
彼がタメ口になったところで、悠はイタズラっぽく切り出す
「美和ちゃん意外とカタいのタイプじゃないみたいだからー」
「え?」
急に出てきた名前に龍青は戸惑った
「好きなんでしょ? 美和ちゃんのこと」
「い、いや、僕は……」
「報われないね、お互い」
慌てて否定しようとした彼に悠は笑って言う
「え、お互いって……まさか田島さん、川本さんのこと……」
「……」
"いや、この流れで天然とかいらないから"
「好…き……」