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よくある恋愛モノ 〜見えない心〜
第3章 消せない過去、喪われた想い
助けを求めていた
“まさか、な……”
何かあったのか
そんなことあるわけがないと思いつつ、一抹の不安が心を過る
「……っ」
一度考え出すと止められない
どうしようもなくて、凪は立ち上がって着替えると美和の家へ行こうと部屋を出た
階段を降り、買ったばかりのバイクに跨る
ヘルメットなどするのももどかしくてそのままエンジンをかけた
猛スピードでバイクを飛ばし、信号が赤に変わる度に舌打ちする
ふと、目の端に大声ではしゃぐ高校生らしき者の姿が見えた
「……」
こんな時間に外に出るような彼らを、かつての自分と重ね合わせる
あんな風に誰かとつるむことはなかった
だが端から見れば俺もあいつらと変わらなかったんだろう
そんな状況から抜けられたのは、他でもない美和のお陰だ
“アイツを失えば、俺は……”
凪の手に力が籠もる
そして信号が青に変わった瞬間、またものすごい勢いでバイクを走らせ続けたのだった
ピンポン
ピンポン
「……」
やはりこんな時間に来るのは非常識だったろうか
“俺は何を考えてんだか”