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よくある恋愛モノ 〜見えない心〜
第3章 消せない過去、喪われた想い



悠は立ち上がると、こちらに向かって歩いてくる人影に手を振った

向こうもそれに応え、慌てて走ってくる



「ちょ、ちょっと! そんなに動いて大丈夫?」

「うん、もう全然平気。心配かけちゃってごめんね」



ふと美和の視線が龍青の方へ移った



「あ、やぁ……」

「龍青も久しぶりだね!」

「……え?」



突然の呼び捨てに二人とも固まる



「川本さん……?」

「川本さん? なんで急に川本さん?

気持ち悪いからやめてよー」



気持ち悪いのはこちらの方だ



「美和ちゃんて……龍青くんとこんな仲良かったっけ?」

「え? 前に言ったじゃん。龍青とは幼なじみだよ」



笑顔で説明する美和を前にして、混乱した悠と龍青は顔を見合わせる



「ねぇ……今日凪くんは?」



その問い掛けに美和は急に真顔になった

そしておかしなことを言われたかのように眉をひそめる



「それさ、お母さんにも聞かれたんだけど……。

ナギサって、誰?」



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