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よくある恋愛モノ 〜見えない心〜
第1章 揺れる気持ち
男としては、こんなときこそ彼女に寄り添っていたい
相手が何を想っているのか、全て理解したい
「ああ…じゃあ……」
だが美和がそれを望まない限り、凪にはどうしようもなかった
曖昧な言葉を残したまま部屋を後にする
「……っ」
“何なの、これ……!”
彼氏の部屋で一人声を押し殺して泣く
美和にも自分自身の想いがまだ分かっていなかった−−−
「おそーい」
リビングには頬を膨らませて兄を見る陽菜乃の姿が。
「黙れ」
先程までとは打って変わって不機嫌な様子の凪
「何、美和ちゃんと喧嘩したの?」
「違う……」
そうではないはずだ
なのに何故あんな目で見られなきゃならない−−−?
「ふーん……」
陽菜乃はその様子をじっくりと観察しながら話を切り出した
「まぁ、とりあえず合格おめでと。お母さんが今夜はお祝いだって」
「そんなことしなくていい」
「美和ちゃんも呼んだら?」
「……」
凪は何も答えない
「……陸にぃも帰るけど」
「……」
やっぱり、何か変だ