この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
よくある恋愛モノ 〜見えない心〜
第1章 揺れる気持ち
ごめんねと、心の中で何度も謝っていた
こんなに自分のことを想ってくれている
大切にしてくれる
そんな彼に、醜い嫉妬を覚えてしまった
「美和」
凪の声にはっと我に返る
「な、何?」
「こっち向け」
「……?
ンッ!」
振り向いた瞬間、凪に唇を塞がれた
チュ…
触れるだけのキス
「み、わ……?」
唇を離した凪は目を潤ませてこちらを見るその姿に動揺した
それまで考えていることがことだっただけに溢れた涙だったのだが−−−
彼にそんなことは分からない
その瞳は男の目にはせがむようなものに映るのだ
「ふん……しょうがねーな」
「?」
何が“しょうがない”のか
美和には分からないまま再び唇が重なる
「ン…ムッ」
今度は深く舌を絡めながら−−−
チュ
チュル
激しく求められ、美和の息が苦しくなる
それはキスだけのせいではない
“そんなにしないで……!”
美和は混乱して顔を背けた
「おい……!?」
驚く凪に美和は小さく謝る
「ごめんね……ちょっと一人にして……」
「……」
凪の手が戸惑うように宙を彷徨った