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よくある恋愛モノ 〜見えない心〜
第1章 揺れる気持ち
「あ……ああ」
妹の言葉に凪は急いで腰を上げ、美和の後ろに付いた
「ありがと」
「……別に」
なんということのない、普段と変わらないやり取り
だが鋭い陽菜乃はその中の不自然さにやはり違和感を覚えるのだった−−−
その晩の夕食
結局外食になり、現地集合ということで凪と陽菜乃は薄暗い夜道を歩いていた
「でもホント、前期落ちた時はどーすんだろって思ったよー。てっきり後期も出願してないのかと」
「うるさい。済んだ話を蒸し返すな。つか自分の心配してろ」
陽菜乃もこの四月から受験生だ
「そんなことよりさー」
しかし全く話を聞いていない
「せっかく大学受かったんだし、一人暮らししたら?」
「……!」
凪は考えてもみなかったことを言われて目を見開いた
「そうか…その手があるか……」
失念していた
「そしたら美和ちゃんとエッチしても安心だし!」
「てめっ……」
今日のことを指しているのだろうか
凪の耳が赤く染まる
「余計なお世話だ……っ」
そのとき陽菜乃が急に足を止め、顔を背けていた凪はまともにぶつかってしまった