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よくある恋愛モノ 〜見えない心〜
第6章 ここにいない人



互いの"何"を求め合っていたのか、それを分かっていなかった



「頼む……次はお前の欲しいものを見極めるから……もう一度俺にチャンスをくれ…っ」



凪はここにいない彼女を見つめて切なく目を細めた



触れたい

あとたった一度でいいから−−−



‘なぎ…さっ……’



自分の名を呼びながらしがみついてくる美和のことを思い出す

恥ずかしがりながらも頬を染め甘い声を出す彼女の姿を再現しながら、凪は自身のモノを激しく擦り上げた



覚えている

美和がどこを責めればどう喘ぐのか

どんな風に身体をうねらせ、恥じらいと悦びを表すのか



“たがまだ知らないことが多すぎる……っ”



凪は苛々と空いた方の手で風呂の壁を叩く



たった二回の交わりを心に描きながら彼は左手を速めた



欲望に負けて己を慰めたが、こんな虚しいことは早く終えてしまいたい

幻想ではなく、現実の美和が抱きたい−−−



「……ッ」



乱暴過ぎる慰めにも猛りは嫌というほど反応する

更に硬く、更に大きく−−−



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